2月5日
スノーフレーク
― 無垢な心 ―
男は寄るもの拒まず、去るもの追わず。
女も寄るもの拒まず、去るもの追わず。
共に頭脳明晰、
容姿端麗、
冷静沈着。
男には女が、女には男が群がった。
それでも、男と女は満たされず、冷めた心で過ごしていた。
共に相手の噂を聞きながら、アイツも一緒かと思い同属嫌悪を抱いていた。
「私、アンタ嫌いだったわ。」
「俺もお前は嫌いだったよ。」
何の因果か男と女は出会う。そして互いに、心を許しあった。
「あら?」
「きゃっ、きゃっ。」
今の男と女は夫婦となり、女の腕のなかには可愛らしい赤ん坊。
「笑ってるな。」
「ホント。」
「・・・こんな。」
「こんな私たちでも子供って出来るのね。」
「あぁ、そうだな。」
「穢れを知らない無垢の子。」
「だろうな。」
「この子も私たちみたいになるのかしら?」
女は自分の学生時代を思い出す。男は少し考え鼻で笑う。
彼らは無垢な心を隠すように穢れた心を作っていた。
「そうなっても、俺たちみたいにあるはずだ。」
「そうね。穢れた心の中の純潔さを捜し出してくれる人が・・・。」
ニコリと笑い掛ける。ニコリと笑い返す。
私たちの可愛い赤ちゃん。
「。」
「え?」
柔らかな感触は唇に。
あとがき
…何も言うことはありません。御免なさい!