2月16日
チューリップ
― 片思い ―
それなりに恋をしてきたつもりだ。
付き合って半年にもなる恋人も居るし、共に愛し合っている。
それでも、私の中の何かは淋しい淋しいと泣いていた。
「え?」
「だから、別れよう。」
「な、なんで。」
「お前さ。いったい誰見てんの?」
「・・・。」
付き合って半年の恋人に別れを告げられました。
誰を見ているかって…そんなの。
「そう言うことだから。」
「・・・わかった。」
「それじゃ。」
自分でもあっさりしていたと思う。
普通は「嫌よ!なんで!」って泣くところなのかなーなんて考えていた。
そして、私は一人になった。
一人になるという嫌なことをグルグルと答えが出ないとわかっていながらいつまでも考えてしまう。
例えば、毎日が楽しかった学生のころ。
あの時は何故か理由もなく毎日がすごく楽しかった。すごく、すごく楽しかった。
友達とTVの話やマンガの話をして、先生が一生懸命授業しているなかウトウトと眠って、放課後には友達と街で遊ぶ。
目にはいつも誰かの姿が映っていた。
耳にはいつも誰かの声が聞こえていた。
頭にはいつも誰かのスベテがあった。
その誰かは、私が片思いをしていた相手だ。
「誰を見ているんだ。」
今日、別れたばかりの彼の顔が思い出せなくなっていた。
それでもその言葉は私を困らせる。
これで何度目だろう。
それなりに何人の人とも付き合っているのだが、決まって最後はあの台詞で別れを告げられる。
だから、あの台詞は私の脳内に焼き付いている。でも、それを言った男の顔は思い出せない。
あんなに好きだったのに・・・。
思い出そう、思い出そうとすればするほど思い出すのは、学生時代に好きになったあの人のこと。
「・・・まだ。私は貴方が好きだって言うの?」
それに答えてくれる人は誰もいない。
あとがき
不特定の誰かです。報われない片思いみたいな…。