2月20日

ポピー
― 慰め ―






プツリと音を立てて世界から音が消えた。
きっともうすぐ訪問者が来る。悲しい知らせとともに・・・



。」
「リーマス。それに…その子はハリーね。」
「は、はい。」
「死んだの?」
「・・・。」
「・・・殺されたんだ。」
「そう。あの人らしいわね。」
「悲しくないんですか!」
「下手な慰めはいらないのよ。ハリー。」
「・・・。」
「・・・。」
「リーマスもありがとう。」

涙を溜めてこちらを睨んでいるハリーから視線をそらし、久しぶりに会う友人の顔を見る。
彼は変わらず人のよさそうな表情だった。

「帰って。」
!」
「ハリー、シリウスは貴方に全てを託したの。」
「・・・。」

視線が合う。
いい目だ。今は絶望で染められているけれど彼ならば大丈夫。

「ヴォルデモードに対抗できるのは貴方だけよ。それじゃ。」

にこりと笑って私は彼らを部屋から追い出した。



下手な慰めなんて要らない。
私には必要がない。
貴方がいない世界には色も音もなくなった。
もう、二度と会えなくなってしまった。
アズカバンへ送られたときにはまだ希望があったのに、今はもう・・・。

「シリウス。」

これが最後。
私が貴方を想うのは・・・。



あとがき
慰めが欲しいときといらない場合があるということです。