8月8日

ゴンフレナ
― 不滅の愛 ―





いつかまた来たいわね。
これが全て終わったら、毎日でも来れるだろ。

二度と勝手な真似しないでよ。
分かった。

…何処に行くのよ。
…幸せになれ。

パッと目が覚める。額には汗が浮き上がっており、目筋には涙の跡があった。

「うるさい。」

誰だかわからない。だけど、私の頭の中で誰かが私を覗き込んでくる。
場所や時間は違うのに、いつもだ。いつもあの男が・・・。

「あの男って誰よ。」

自分で考えたはずなのにまったくわからない。
その男のことを考えると頭に靄が掛かったみたいだ。

目覚め最悪のまま、新聞を斜め読みする。
パラリと紙が1枚落ちた。
チラシだろうか。拾い上げてみるとそのチラシに乗せてある写真は動いていた。

「…なによ。これ。」

驚きはしたが、何故か懐かしさの方が大きかった。

「なんで懐かしい、の、・・・よ。」

砕かれた鏡がピッタリと重なり合うように、バラバラのパズルが1枚の絵になるように。
私の頭には電撃が走った。

「…待って。な、なんで」

昔の荷物を探しに自室へ走る。
すぐさま押入れを開けると奥に隠すように置いてあった鞄を開く。

「…あった。」

その中にはホグワーツの制服と杖。そしてアルバム。
アルバムに吸い寄せられるように手を伸ばし、開けばそこには忘れてしまっていた思い出が。

あぁ、みんな。
後のほうになるにつれ、あの男と自分が楽しそうに微笑んでいる写真があった。

「…馬鹿。一人で何処に行ったのよ。…セブルス。」





後書き
セブルスです。一応、微妙に6巻ネタ。