12月7日

デンファレ
― お似合い ―




私と彼は友達。
私と彼も友達。
彼と彼は親友で、相棒で、こう言っちゃなんだけど、お似合いだと思う。

俺とアイツは友人で、相棒(でありたい)。
俺と彼女は男友達・女友達。
アイツと彼女はどこからどう見てもお似合いだと思う。

俺とあいつは大学以来の友人。
俺と彼女は友人。
あいつと彼女は何だか見ていて羨ましくなるほどお似合いだと思う。



彼女、は滅法酒に弱かった。
今日は虫の居所が悪いのか、そんな自分の体調に気を使うことなく最初からハイスピードで缶を次々と空にしていく。
酔って出来上がってしまった彼女は、「枕になりなさい!」と一言言うと、火村の膝を枕にして眠りについてしまった。
そんな彼女に俺ら二人は互いに見合わせ苦笑しあうと、静かになった夜にお互いの缶ビールをぶつけた。

「なにがあったんやろなー。」
「さぁーな。」
「名探偵の火村先生にも解けん謎があったんやな。」
「それならなにか、推理小説家である有栖川先生は解けたのか。」
「まーな。でも、コレは俺からは言えへんで。」

そう言った俺を火村は面白くなさそうな表情で見る。
そんな表情を浮かべるくらいなら言えばいいのにと何度言いたくなったことか。
火村と。この二人は互いになにかすれ違っているのだ。
周りの人から見れば(そう、大学時代から)、彼ら二人は恋仲であると言われて来たのである。
それなのに、どういうわけかその噂は彼らの耳には届かず、友達以上恋人未満と言う微妙な境目をうろうろしていた。

「なぁ。」
「なんだ?」
「イブの夜にディナーでもどうだ?」
「なんで男二人で誕生祭を祝わなきゃならないんだ。」
「いや、そーやのうて。がな、悔しいから私も男と過ごしてやるって言っとって…。」

あぁ、またや。
軽く火村に睨まれた。
自分には連絡が来んかったから、拗ねているのだ。
が俺やのうて、火村に真っ先に言えばこんなことにはならんのに…と一人ごちながら話を進める。

「そいでな、三人でってことにしたんやけど。」
「俺は聞いていないぞ。」
「今、聞いとるやんか。でな、俺は用事っつーか、締め切りが間に合いそうにないねん。」
「こいつが怒るだろう。」

そう言いながら、愛猫に向ける以上の優しい目をしながら膝の上のを見ている。
この二人にはほんま今年で決着を付けてもらうしかあらへん。と意気込み、「兎に角!イブはとディナーやぞ?」と念押しをする。
気だるそうにしながらも、返事の声は少し嬉しそうな声が混じっている。
キリストなんてほっといて、奔走している俺に感謝して頂きたい。



後書き
火村とアリスの関係は友人みたいで相棒みたいな…。一度は妬いちゃうポジションです。