12月15日

カラー
― 壮大な美 ―




広く広く、広がるこの景色を私は一生忘れない。


「好きです!付き合ってください!」

緊張で震えている声で叫んだ女子生徒は目の前の男子生徒を縋るように見る。
男子生徒はそれに答えるかのようにゆっくりと頷く。
そして二人は身を寄せ合い…。
視界が真っ暗になった。

「ちょっと、何するのよ!」
「盗み見はするなよ。」
「なによ。私たちがいることに気がつかなかったあちらが悪いんじゃない。」
「そういう問題じゃない。礼儀だ。」
「もう。だいたい、昔から言うでしょ?壁に耳あり、障子に目ありって。」

小さな声でこしょこしょと言い合っているうちに、下のカレカノは消えていた。
カンコーンと始業開始のチャイムが鳴り響いていることに気が付き、慌てて広げていた弁当を片付ける。

「ほら、瑛も片付けないと。」
「今行っても、廊下で立たされるな。」
「・・・。マジ?」
「ほら、そこ見てみろ。」

指差した方を見ると、先生が廊下を渡り私たちの教室へ入っていくところだった。

「うわー、やっちゃた。数学なのに…。」
「諦めろ。今日の分の授業なら、俺が教えてやる。」
「流石、瑛!ついでに、テストのヤマを張ってくれると嬉しいかも。」

相手が下手に出たことをいいことにワンランク上のお願いをプラスする。
そーっと横目で見ると仕方ないと言いながらもOKとの返事に嬉しくて、大きな背中に飛びついた。

「瑛ってば優しいー。大好き。」
「・・・。」

明らかに、大げさに、溜息を吐くクラスメイト。

「なによー。」

「折角、御礼言ってるのに!」とブスッと頬を膨らませ、抱きついたまま顎を瑛の肩に乗せる。
更に溜息を吐かれ、私はますます不機嫌になった。

「あのな、。」
「んー?」
「お前はそう思ってなくても、俺はお前を女としてみているんだぞ。」
「は?」
「だから、そうやって軽々しく好きだとか言うな。そして、抱きつくな。…勘違いする奴がいるんだからな!」

そして、頭に衝撃が一つ。
器用に私の頭にチョップを落とした瑛は、「ほら、放せ。」と訴える。
話についていけなかった私の頭は、オーバーヒート。
その隙に、瑛は私と距離を置くと、太陽の日差しを全身に浴びながら寝転がる。

「あ、あのさ!」

一生懸命に動かした頭は一つの答えを弾き出し、私は思わず口に出した。

「私、瑛のこと大好きだよ?愛してる。」

飛び起きた瑛は真っ赤な顔をして、そっぽを向くと「馬鹿」と一言。
相変わらずの捻くれ具合に腹が立って、私もそっぽを向いて屋上からの景色を眺める。

「あー、あのさ。。・・・好きだよ、・・・愛してる。」

小さく囁いた瑛の声と共に、キラリと水平線が光った。



後書き
GS2!やっぱり好き。