12月16日
アルストロメリア (葉)
― 挑戦 ―
挑戦すればいいじゃない。
そんな言葉で僕らはこっそりと勉強を始めた。
全員がアニメーガスになるなんて簡単なことではなかったけれど、彼女のその一言が切欠になったのは間違えなかった。
もともと頭の良かった俺とジェームズはなんとか様になっていてはいたが、お世辞にも優等生と言えないピーターはまだまだ練習の余地があった。
「シリウス!」
「あ?あぁ、か。」
「こら、か…じゃないでしょ!」
朝だと言うのにハイ過ぎるテンションに苦笑しつつ、ハイハイと頭を撫でてやる。
さらさらの髪で妙に撫で心地が良かった。
「頑張ってる?」
「今、ジェームズがピーターに特訓中さ。」
「成る程。シリウスはサボりだね。」
何が成る程だ。
大いに誤解されている。
「バーカ。俺は調べ物だよ。」
「今更?」
「…考えてみろ。俺ら全員が校内からいなくなったら怪しまれるだろ?」
「そっか。」
ポンと手を打つと「ちゃんと考えてるんだね」と花の咲く笑顔で笑いかけてきた。
危うく赤くなりかけた顔を隠すように、天井を見る。
「ねぇーねぇ。」
制服の裾を引っ張られ、のほうを見下ろす。
やはり、にこりと花の咲く笑顔で笑いかけながら「シリウスは出来るんだよね?」と首を傾げていた。
この場合、出来ると言うのは目下練習中のアニメーガスのことだろう。
「あぁ。」
「シリウスは何になるの?」
パッと目を輝かせてこちらを見てくる。あぁ、まったくそんなに期待をしないで欲しい。
「犬。」
「ワンコ?」
「ワンコって言うな!」
「もしかしてジェームズにからかわれてるんだ。」
ふふっ、と笑みを漏らしたその顔は可愛くて、でも悔しくて。
チ ュ ッ
柔らかい頬に唇を落とした。
「シリウスのばか!」
そんな可愛らしい怒気を含んだ声を上げながら、君は走り去った。
後書き
久しぶりにハリポタの映画を見たので。