12月23日
ヒヤシンス
― 初恋のひたむきさ ―
初恋は実らないって言うけど、そんなの私には関係がなかった。
その日私が英都大に足を運んだのは大学生の従兄妹に伯母さんからの言付けがあったと言うことと、受験を考えている大学でもあったからだ。
そんな変哲もないお使いによって私の初恋は始まった。
学園内で、法学部の有栖川を探していると言えば大半の人は「あぁ」と声を揃えていった。
流石は有栖川有栖。
伯父さんの目論見どおりちゃんと一度聞いたら忘れない名前になっている。
同じく法学部と言う人から図書館にいたという情報を貰い、教えられた図書館へと足を進めた。
そう。
その時出会ったのだ。
見つけたアリス兄の横にいた彼は、英都大の社会学部で火村英生と言った。
お昼時と言うこともあって、伯母さんからのお使いを果たした私はそのまま二人にお昼を誘われお邪魔することになった。
それから、数年。
私は無事に英都大学へ入学し、暇と時間さえあれば火村准教授へ質問をしている。
会いたいって言うのが本音ではあるけど、だからと言っておなざりな質問をして私の質を落とすわけにはいけないから、ちゃんと論文や自分で考察した上で先生には質問をしに行っている。
つまりはずーっと本気ってこと。
「ねーアリス。」
「せめて、さん付けで呼んでくれや。」
「じゃぁーアリスさん。」
「なんや。」
「火村先生、元気?」
「…なんでそないなこと聞くん?の方がいっつも一緒やろ。」
「私は生徒。先生はそこらへんの線引きはきっちりしてるんだよ?」
最近、大人びた従兄妹は火村にあの日から恋している、らしい。
火村がに対して恋心を持っているかと言われれば、流石の親友の俺にもわからない。
ただ、火村が言うことは「学部は違うのに一番レポートが良かった。」とか「お前の従兄妹とは思えないよな。しっかりしている。」などまぁ、悪くない評価。
それをに伝えれば、初々しいほど真っ赤に頬を染めて嬉しそうに笑った。
「ねぇーアリス。」
「せやから、さん付け。」
「ごめん、ごめん。」
「で?」
「先生のこと、ちゃんと見ててね?」
心配そうな表情では俺を見てきた。
この子は聡い。
火村の心の何かを見つけたのだろう。
「も見とるやろ?」
冗談でも言うように言えば、彼女はにこりと頬笑み「勿論だよ!」と答えた。
「初恋の人には幸せになってもらいたいでしょ?」
付け足すように言ったは、携帯を見ると慌てて部屋を出て行った。
コトンと音を立てて落ちたの落し物はスケジュール帳。その横からはみ出ている紙は時間割。
よーく見ると午後一は火村のようだ。それであの慌てようかと一人納得。
こんなことを言うとに「年寄りくさいよ。」と言われるんだろうが、恋する乙女のエネルギーには付いていけないなぁと思いつつ仕事を再開した。
後書き
結局何が言いたかったのか、さっぱりまとまっていません。