「景吾さん。」
「あぁん。」
寝返りを打ちこちらを見てくる恋人を見る。
今日は大晦日。全ての人が盛り上がり、活気にあふれている、そんななか二人は跡部邸にて過ごしている。
山のようにあった生徒会の仕事をこなし終えたのが6時間前、そのまま二人は学校を出ると一直線に跡部邸へ。
倒れこむように眠った後、食事を済ませ、また再び寝室へと足を運んだ。
そしてそのまま二人でベッドに倒れこみ今年最後の情事をすませたところである。
携帯の時計を見ればもう23時をまわり、あと10分もしないうちに来年になる。
「おい、なんだよ。」
自分が蔑ろにされている事に不満を持っているらしく、その声はキツイ。
「いいの?」
「なにがだ。」
私の質問の意味が分からず眉間にしわがよる。
「他の女と約束してなかったの?」
「いるかよ。」
「そう?」
定めるような目つきで景吾を見れば彼は胸糞悪そうにこちらを睨む。
無言のまま、視線をそらさず。
もぅいいやと眼を逸らしたとき、肩を捕まれ景吾の胸の中に。
「なに?」
「・・・・・。」
「ちょっと!」
「来年は、」
そこでいったん区切られる。
外からは花火の音が聞こえる。部屋に取り付けられている柱時計もボーンと鳴る。
「今年はお前しかいらねーよ。」
そのまま口を塞がれる。
まだ花火も時計も鳴り止まないのに、景吾のkissに酔った私には聞こえない。
唇が離され私はまた再び口を開く。
「今年、だけ?」
「いや、一生だぜ。」
「私もよ。」
また再び自然に口が近づく。
今年だけじゃなく、来年も、再来年も、未来永劫に。