「明けましておめでとう!秀麗ちゃん。」
「おめでとうございます。元気ですね、明け方なのに…。」
「あ、ごめん。まだ寝てた?」
「これから朝日を見ようと早起きしたから、ぴったしよ。」
「なら良かった。でも、秀麗ちゃんだけ?」
「いま静蘭が父さまを起こしに行っているわ。」
そうして他愛もない話をしていると、屋敷の中から邵可と静蘭がやって来た。
「明けましておめでとうございます。邵可さま、静蘭さん。」
「明けましておめでとうございます、さん。」
「こんな朝早くにお一人で来られたのですか?」
「あ、えーっと。はい。」
「武芸に嗜みがあるとは言え、女性なのですから気をつけてください。」
「はい。(新年早々静蘭さんのお説教受けるなんて…。)」
「それより、さんはどうして来られたのかな?」
邵可からの問でようやくここにやって来た意味を思い出す。
「あ、実はですね。」
秀麗ちゃんから手渡されたお茶を啜りながらは自分の目的を話し始めた。
「じゃー大晦日からお仕事だったの!」
「まぁ、そうですね。」
「それは私も答えなくてはいけないのですか?」
「えー出来れば。」
「朝日が出る前に終わらせてしまおうか。」
「はい。それでは、『新年のご挨拶〜行ってみる?あの家、この家、お宅訪問〜』紅家編(邵可邸)。皆さんの新年の抱負、教えてください。」
「そうねー貧乏脱出!」
「お嬢様…。」
哀しそうな静蘭の声を聞き罰が悪そうに笑う。
「いやーね。静蘭ったら。冗談よ。皆が健康で、元気に、そして少しでも貧乏が減らすことよ。」
「ふふふ、秀麗ちゃんらしいわ。静蘭さんはあります?」
「そうですね。今のままが続くように、ですかね。」
「静蘭ったら無欲ねー。」
「いいんですよお嬢様。この家で寝起きが出来て、お嬢様のお茶が飲めて、兄弟のような方たちと話すことが一番幸せですから。」
「(劉輝にあとで教えてあげよーっと。)」
「そうよねーあ、父さまは?」
「私も静蘭と同じだよ。秀麗が怪我をせず元気に夢を追いかけてくれればそれでいいよ。」
「なんだか、照れくさいわね、二人とも自分のことより私のことばっかり。」
「大事にされている証拠よ。」
「もーさんまで!」
「今年も色々あるとおもうけど、いい年になればいいわね。」
「勿論!バリバリ出世して、女のくせになんて台詞、二度と吐かせやしないわ!!」
うっすらと日の光が射してくる。
初日の出だった。その光は次第にゆっくりと地上を照らし、新たな年の初めを告げる。
「綺麗ね。」
「えぇ。とても。」
「ねーさんの抱負ってなに?」
突然の質問に思考回路がストップ。
そういえば、散々人の抱負を聞いておきながら自分の抱負は全然考えていなかった。
「え、なんだろう?んー」
呟くとまた考え始める。
・・・!そうだ私の新年の抱負は、

『                    』