手紙に指定されていたホテルに行き、フロントで待つこと30分。
いきなり荷物を取られ、案内されてきたのはスィートルーム。
案内されるがまま部屋に入ったのは良いけれど、こんな部屋を払うお金持ってないよ。
「Ms.。どうじゃ、楽しかったかの?」
「うゎ!・・・おじいさん。誰?」
「ほっ、ほ、ほほほ。わしは」
「魔法使い。ですよね?ダンブルドア校長。」
「おや、分かっておったか。感のいい子だ。」
「お褒めに与り光栄ですわ。・・・ところで」
おじいさんはそっと音もなく寄って、口を塞ぐ。そして、にっこりと笑って暖炉の方へ目を向ける。
その瞬間。けたましい音と共に何かが落ちてきた。
「イタタタタっ。」
「あなた大丈夫?」
「大丈夫さ。久しぶりに使ったから少し、ね?」
この声は、もしかして。いいえ。もしかしなくても・・・
「お父様!お母様!」
「久しぶりじゃのー。ロビン、シナモン。」
「お久しぶりです。ダンブルドア先生。」
「ご無沙汰してます。」
「・・・なんでお父様とお母様が。」
「が心配でねー。」
「それに私たちだけじゃないのよ。ほら、ともいるのよ。」
そこには灰をかぶってしまった憐れなペットが2匹。
とくにったら自慢のふかふかの毛が台無しだ。
「。。いらっしゃい。洗ってあげる。・・・それでは、ダンブルドア校長、失礼させていただきます。」
一礼をしてとと一緒にバスルームに入った。
「気持ち悪い。」
「全くだな。暖炉の中くらい掃除しておけよ。」
「まーまー。」
「そもそもが私を連れて行けば何の問題もなかったはずだ。」
「私のせい?でも、を連れて歩くと大抵の人は怖がるのよ。」
「なら俺だけ連れて行ってくれてもいいじゃねーか。」
「そーだけどね。はでっかいし、飛行機じゃちょっとね。」
の毛に絡みついた埃を取り、シャンプーとトリートメントをしてあげる。は濡れタオルで綺麗に拭く。
小柄なはともかく大型のを拭くには大変な量のタオルが必要だった。
ホテルの人、大変だなー。こんなに洗濯するなんて。心の中で使用されたタオルを見る。
すっきりしたとはご機嫌で私が言わずともバスルームから出て行った。
全く・・・何て言うか、現金よね。洗ってやったら私には用なし・・・。飼い主にそんな態度でいいの!
そんなことを考えながら、リビングに戻ると両親もダンブルドアもご機嫌に笑っており、その前には18、19くらいの男の子いや、青年が2人立っている。
またか、またお客さん。それも魔法使いの。次から次へと現れる魔法使いにやや疲れを感じる。
「お父様、お母様。こちらの方は、どなたですか?」
「まぁ!ったら。フフフ」
「会ったことあるじゃないか。ハハハ。」
それはそれは愉快そうに話す父と母。もう1度お客様の顔を確認するが、やっぱり知らない。
「わからないわ。」
「とよ。」
へー。と。
そっかーそう言えばもも男だし、擬人化したらこんな感じになる。
・・・え?・・・?
「と?」
「あぁ。」
「なんで疑問系なんだよ。」
「なんで、人?それにその服どこから持ってきたのよ。」
「主人、突っ込むべきところはそこじゃないと思うぞ。」
「そうかしら?まぁ、いいわ。それで?なんで人なの?」
「なりたかったからだよ。」
「それだけ!」
「それだけじゃないんじゃぞ。」
急にダンブルドアが話す。
それだけじゃないって・・・とが人型(?)になるのは何か理由があるのかしら。
「それは、なんでしょうか?」
「君の力を制御するためじゃ。」
私の力?それはつまり・・・私の魔力みたいなものを制御するためってことよね。
とが人型になるだけでそんなこと出来るのかしら?
「そんなに難しく考えなくても良いのじゃ。さぁーそこに座って、話を聞いてくれるね。」
すると、ソファーが私の後ろに飛んできて、私が座るとダンブルドアの前に移動した。父も母もいつになく真剣な顔をして反対側のソファーに座っている。
「君をなぜ1年の頃から入学させなかったか、それは君の力にあるのじゃ。ロビンとシナモンに日本で過ごすように勧めたものわしじゃ。君の力はとても強い、だがそれは酷く不安定なものだったのじゃよ。」
ダンブルドアから話された私自身についての話は、はっきり言って凄く信用できない話だった。
3話目です。
今後、ようやくエイリさんの魔力についてお話が!