。おはよう。」
「ごめんなさい、起こしてしまったかしら?」
「そんなことないわ。」
「なら良かった。」
「綺麗ね。」

の開けたカーテンの向こうから朝日が射している。

「えぇ。凄く綺麗だわ。リリーどうかした?」
「貴女の眼、左側だけ色が違うのね。」
「昔、何かの爆発に巻き込まれたらしくって。」
「まぁ!ごめんなさい。」
「気にしないで、それより早く着替えたほうがいいわ。」
「もぅこんな時間!待ってて、すぐ着替えるから。」

制服に着替えるリリーをみて、「慌てないでいいわよ。」と声をかける。
また、窓の外を見て、朝日を一身に受ける。
綺麗。朝日がこんなに綺麗に見えるなんて…
人間って可笑しいわね。たったあれだけのことで変わるなんて。
クスッと笑うと左目に手をかざし、魔法を唱える。

「出来たわ。行きましょう。」
「うん。」
「あら、瞳の色が…。」
「いつもは魔法で同じにしているのよ。今日は失敗しちゃったけどね。」
「勿体無いわ。でも、私との秘密ね。」
「…えぇ、秘密よ。」

にこりと笑いあう。
そして、ローブに身を包んだリリーと一緒に談話室へと降りていくと・・・。

「愛しのリリー!今日はまた一段と可愛いね。」
「ありがとう。ジェームズ!貴男も素敵だわ。」
「・・・・・!」

なんなのよ。この人達。愛しのリリーって!ジェームズって単語の後ろにハートマークが付いてるじゃない!
・・・もしかしなくても、付き合ってんの!?この二人!?
だ、だって昨日散々言ってたじゃない。傍迷惑な煩い奴って!なのに何なのよ!
リリー・・・私貴女のこと勘違いしてたかも。
はぁーと溜め息を吐いていると、リーマスが「いつもの事だから。」と、イチャついてるジェームズとリリーをみて困ったように笑った。
その後は悪戯仕掛人と大広間に行き、同じ席に着くことになった。
トーストを噛りながらジェームズとリリーをみる。まだイチャついていた。

「・・・ついてない。」

溜め息と共に呟く。

「なにがついてないの?」
「ん?大したことじゃないのよ。」
「そう?」

私の独り言に気が付いたリーマスが話し掛けてくれた。

「それより、次の授業って魔法薬学だったわよね。」
「そうよ。」

イチャついていたリリーが答えた。

「…私、寮に忘れ物してるみたい。取りに行ってくるわ。」
、私も一緒に行くわよ。」
「大丈夫よ、すぐ戻ってくるから。先に行って、席を取っててくれる?」

立ち上がったリリーに笑いながら言う。

「もちろんよ。」
「よかった。じゃぁー行ってくるね。」

大広間を出て寮へと続く道を足早に進む。思った通り人影はひとつもない。

「どうかしたの?」
「レディー、忘れ物したのよ。入れてくれるかしら?」
「合い言葉は?」
「羽根の卵」
「どうぞ」

扉が開かれる。お礼を言うと寮の中へ入る。
談話室に誰も居ないことを確かめると暖炉の右側の壁を杖で叩く。

「ん?なになに?合い言葉が要るのね。」

昨夜の校長室での会話を思い出す。
・・・・・・・ダメね。
それらしい会話はしていない。

。・・・ミントチョコ・・・開けゴマ!・・・開きなさいよ!せっかくが来たのに!」

ガガガガがコンガガコン

「うわっ!」

驚いて後ろに下がり、正面を見ると壁には扉が付いていた。

「コレでいいのよね?」

がちゃ。




10話目です。
主人公の容姿が少しばれましたね。