● 決めポーズはこう!

マンホールを抜けるとそこは…

「…どこ?」

辺りを見渡せど人影は無く、自分の下には蓋の開いたマンホール。ではなく、人がいた。

「…あっ!ごめんなさい。」

踏み潰していることに気がついてバッとその場から立ち上がる。
うわぁーやっちゃったよー!朝からついてないなー空を仰いだ。

「キミいい度胸してるね。」

ん?踏み潰していた人が立ち上がってこちらを見ていた。
・・・!ワォ。

私の頭は真っ白冬景色。何にも思いつかない。
夢でも見ているのかと頬を抓る。

「痛い。」

痛い。つまり、夢じゃーない。
私の前に居るのは『家庭教師ヒットマンREBORN!』に出ていらっしゃる、風紀委員の雲雀恭弥さま。
…神様っていたんだね。疑ったりしてゴメンナサイ。
今日から奉ってあげるし、ちゃんとお供えもしてあげる。
だから、だから、このまま生活させてちょーだい。

目の前の雲雀さまをほっといて一人浮かれていると、ゴスっという音とともに腹部に痛みを感じる。

「っ!痛いじゃーないですか!なにするんです!」
「別に。」

それだけ言うと、彼はトンファーを片手に去って行く。
あのトンファーで殴ったな。…まだ痛いし。
それより、なにより。決めポーズ的にトンファーを片手に持っている雲雀さまが拝めるなんて!
一人悶えているとふと気付くことがある。

「…私、どうすればいいんだろ?」

そうだ、私は異世界から来た人。ここの世界に戸籍なんてないし、住む場所もなし。

「だぁぁぁ!一体どうすればいいんだー!!」

道の真ん中で叫んでみる。近所迷惑だろうけど仕方がない。
冷静になって考えてみる。
・・・。・・・・・・・。・・・・・・・!
ピンと私の頭に閃くものが。神様がいるじゃない。
ここに来させてくれたってことは、生活できるように準備してあるのよ。きっと。
神様を信じましょう。と意気込んでさぁー行こうと足を進める。

私が向かうべきは並盛中。
きっとそこには夢のようなパラダイスが待ち受けてる。