● 負けられない少女のプライド。
「うわぁー。凄い。」
突然、会議中に声がする。
全員が振り返ればそこにいたのは敵でもあるの姿。
「およ?ハロ〜ご機嫌麗しゅう?ヴァリアーの皆様。」
「何でココにいんだよ!」
「あら、速い突込みね。流石、スクアーロ。」
「それで、なんでここに敵のキミがいんの?」
「プライドの為によ!」
「なに、俺たちとやろうってのか?」
今まで黙っていたザンザスが口を開く。
それと同時に、この世のものとは思えないほどの殺気が漂う。向けられた張本人でもないのに周りのものも立ちすくむほどの殺気。
それなのに、張本人ときたらケロッとした様子でただひたすら笑っている。
「今日はザンザスには用なし!あるのはこの男よ。」
ビシッと指差す向こうには先ほど突っ込みが速いと言われたスクアーロの姿。
「俺とやり合おうってのか!」
「だって悔しいもの。あんた男でしょ!」
「見りゃわかるだろそんぐらい!」
「私がどれだけ頑張ってるかわかる!それなのに・・・それなのに・・・」
沈黙する。
一同の視線はに釘付け。
「それなのになんであんたのほうがキューティクルなのよ!!!」
「・・・は?」
「石鹸で洗ってるくせに!」
「なんで知ってるんだよ!」
「私の地道な研究結果よ!」
「覗いたのか!」
「観察といってちょうだい。」
「・・・。」
「研究に観察はつきものよ。勿論、実験もね。」
「実験・・・。」
「そう。ここ3日はジョ●を。その前の1週間は石鹸。」
初めて聞かされる事実にこめかみを曳くつかせるスクアーロ。
「聞いてねぞ!!」
「言ってないんだから知ってるわけないじゃない。」
「そういう問題かぁぁぁ。」
「それなのに、あんたの髪はなに!」
はズカズカと近づいて、スクアーロの髪を一房持ち上げる。
サラサラと音を立てて何本かの髪が落ちる。
「あぁ!!羨ましい。」
「髪の毛ぐらいでなんだ。」
そんなスクアーロの首をその持ち主の髪で絞める。
「ぐゎっ。」
「髪だけで、ですって!何を言うの!髪は少女のプライドだわ。」
それなのに、なんでこんながさつ男に負けるのかしら。と溜息混じりに言う。
その間も勿論、首は絞めたまま。
「・・・・・。」
「・・・・・ねースクアーロ。・・・・ちょっと!どうしたのよ!」
「・・・ってめぇーが絞めたんだろ!!やるのかぁぁぁ。」
「・・・五月蝿いわ。」
ブチン、とうとうスクアーロの中で何かが切れた。
殺気立ち剣を構えてへと向かう。
はというと、にっこり笑って平然とこう言った。
「スクアーロ。私の名前は。」
「あぁ?」
「勝負はまた来週ね〜。それではヴァリアーの皆さん。またね★」
そして、軽々と窓から落ちて逃走。
本当に来週にまた来るのかはわからない。