えげつない・・・。
「だから女は嫌いなんだよ。」
不機嫌な顔でやってきた彼はさらに不機嫌な声で一言文句を言う。
「あら、それでも皇毅さまはあの子を御史台に入れるみたいよ。」
「知ってる。」
わざと煽るように答えてみる。
「あらそうなの?」
「白々しいよ、。」
バレていたか。隠していたわけじゃないけどやっぱり指摘されるのは悔しい。
「それはどーも。・・・でもその割りには楽しそうよね。」
「楽しいよ。いや、楽しみだよ。」
「へー。」
面白くない。清雅にそんな顔させるなんて。
顔に出ていたんだろうか、清雅がにやりと笑う。
「あの甘いところのお陰で俺は楽させてもらったし。」
「あーだったね。」
「それにあいつが御史台に来たら俺のほうが先輩だしな。」
「だから?」
言いたいことが今ひとつ分からない。
「いじめられても仕方がないって事さ。」
「えげつない・・・。」
「何とでも言えばいい。」
開き直っている清雅を見て溜め息を一つ。
「そうね。清雅がえげつないのは今に始まったことではないわね。」
「そうでもない。」
「そうだっけ?」
「に対してはイイだろ?」
にやりと笑いながら言うと、視線をそらせない私を引き寄せる。
「どこが。」
あんたは十分えげつないわよ!
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お題:『えげつない・・・』
彩雲国 陸 清雅